からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
危険を回避する生存本能というチカラ
想像してください。
あなたは今電車に乗っていて、その車両には、他に誰も乗っておらずガラーンとしています。
ある駅に停車しドアが開くと、見知らぬ人物が乗車してきました。
その彼は、つかつかと歩いてきて、あなたのすぐ隣に座ろうとしました。
その人がどんなにパリッとした身なりをしていても、きっと、あなたは思わず「えっ!!!」と身構えるでしょう。
これが、私たちの「命を守ろう」とする生存本能の表れです。
危険を察知するチカラ
生き物としての1番大事な能力は生存本能です。
私たちは、子供の頃からこの本能の力に磨きをかけ、自分の身は自分で守るようになっていきます。
この「危険を嗅ぎ取る力」が身に付くことで、私たちは「ヤバい!」と感じられればそれを避けるように行動できますし、トラブルを処理する能力も、様々な経験によって育まれていきます。
例えば、
カッターナイフで鉛筆を削る行為がこの力を育みます。
このカッターで鉛筆を削っている時、もし指を傷つければ、それがどんなに危険なものであるかを学習できます。
そしてこの学習から、自分に危険なものは他人にも危険だと認識するでしょう。
また、
より大きな危険をかぎ取る力、例えば包丁のような大きな刃物はもっと危険だと判断できるようになります。
一方で、
鉛筆が転がっているだけなら、誰も危険とは思いません。
しかし、もしペン先をこちらに向けた鉛筆を握り締め、拳を振り上げた人が突然目の前に現れたとしたら…。
私たちは「ヤバい!」と身構えることになります。
ところが、幼児に同じことをしても幼児にその状況が「危険!」だと認識される事はありません。
「危険を嗅ぎ取る力」は、小さな頃からの経験の積み重ねによって学習し、その能力が研ぎ澄まされることになるのは明らかです。
そして、
この本能的に持つ大事なチカラが暴走した場合に、不登校や引きこもりという結果になると考えられています。
過敏な反応は脳の消耗から
脳に余裕がないと、この危険回避本能が、辺りかまわず発揮され、周囲の状況にとても敏感になり、自分が誰からも傷つけられるように感じてしまうのです。
情動を司る大脳辺縁系は、知性を司る大脳新皮質によってうまくコントロールされています。
脳が消耗し、栄養状態が悪くなると、暴れ馬を乗りこなすことができなくなり、過敏な反応をしてしまうことになるのです。
不登校や引きこもりの原因は、情緒の混乱にあります。
漢方的アプローチによって脳に余裕をつけて、過剰反応を鎮めることでようやくスタート地点に立てるのです。