からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
学校は、エネルギーの要るところです。
特に脳に余裕のない子供にとっては、
戦場に行くのに近いでしょう。
不安や恐怖、怒りなどの
強い緊張が起こるとき、
交感神経が刺激されますが、
その一方で、
副交感神経の働きは後回しにされ、
特に消化吸収の活動は
休むことになります。
不登校の子供では、
これが繰り返されることで
腹痛やはらなり、吐き気のような
消化器症状が現れるのです。
また脳の栄養状態が悪いと、
危険という情報が常に
扁桃体を刺激し続けることになります。
特に朝、登校前になると
その刺激が強くなり、
情緒の混乱がひどくなるのですが、
これも神経回路の情報が
強化された結果です。
そんな時に朝食をとりますから、
そのたびに消化吸収の活動が止められます。
その繰り返しが「登校=消化吸収活動停止」
という神経回路の結びつきを
さらに強くしていくことになります。
腹痛やはらなり、吐き気などの症状が、
登校時になると食事をしなくても
出るのはそういったメカニズムです。
こういった流れを知れば、
初期の不登校では、特に夕方以降、
彼らがとても元気なのもうなずけるはずです。
これは目の前に「登校」と言う
危険がないためです。
しかし、栄養不足による
「飢餓状態」という危険信号は、
常に扁桃体に送られ続けます。
だからこそ、元気に見えたとしても、
すぐに過敏な反応をしてしまうのです。
ちょっとしたことで
泣いたり怒ったりするのです。
ところが、不登校が長期間続くと
状況は変わってきます。
情緒が混乱した彼らは
常に神経ホルモンによって
不安な感情を持っています。
そのため、不登校が続くことで
「自分はだめな奴だ!」といった
ネガティブな感情でも
苦しむことになります。
でも、どうしても
学校には怖くていけません。
それでさらに、彼らの情緒は
混乱することになります。
するといつの間にか
不登校初期の頃とは違い、
部屋にヒキコモったり、
口数が減ったり、
表情が乏しくなってきたりします。
以前は、夕方以降は元気だったのが、
それもなくなってしまいます。
ここまでくると、
引きこもりの状態です。
彼らの脳は、
飢餓状態により常に怯え、
警戒しています。
これが、心の問題というアプローチでは
効果が現れない理由です。
心のケアでは
脳の栄養を満たすことなど
できないのですから。