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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。

京の都へ降り立つ①

2023年10月22日(日)

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薬師のブログ

すっかりになりました。
「そうだ!○○行こう。」ではありませんが、
博多発ののぞみで行ってまいりました。

目的はある大学の先生の研究発表を聴くことでして…、
決して、美味しい食事と美味しいお酒が目当てで
浮かれていったわけではありません。
断じて違います。(笑)

京都はいま、
「世界中の金持ちが行ってみたい都市」と言われてるだけあって、
もう肌の色から服装から、街は外人さんだらけでした。

中心街で普通に泊まろうと思っても、
目玉が飛び出るくらい高いので、なかなかできません。

名所観光はできませんでしたが、
駅周辺を散歩して周っただけでも、

久々に都会の空気を吸って異国の様々な言葉を聞き、
珍しいものや洗練されたものを見て、
刺激を受けて帰ってきました。

漢方薬の研究

さて今回のメインの講義は
近畿大学薬学部の遠藤教授という方のお話でした。


遠藤さんは教授になられて10数年ですが、
30年以上も漢方生薬を中心に研究されてきた先生です。

日本全国だいたいどの薬科大学にも生薬学の教室があり、
日々様々な研究を行っています。

2000年以上も実績のある漢方薬ですが、
なぜいまでも各大学で盛んに研究がおこなわれているのでしょうか?

証明が複雑な漢方薬

化学薬品の場合は、
何十年か研究すれば、大体のことが分かり、
それ以上研究される薬物はほとんどありません。

それは、人工物であり単一成分だからです。

一方、漢方薬
天然物で複合成分です。

むかしから、
「こんな状況でこんな体質の人が飲めば
このような効果が出る」という風に、

効くことが分かっていながら、
化学薬品と比較して、
様々な成分を含むために、
実験的に証明をするということがなかなか困難だったわけです。


もともと化学薬品は
単一成分ごとに実験する形態ですから、
複合成分の漢方生薬を
その手法だけで分析するのは無理があります。

化学薬品と漢方薬を成分分析で判定するという試みは、
相撲の土俵の上でラグビーをするようなもので、
非常に難しいことなんですね。


治療効果を判定するにしても、
西洋医学が単一成分で単一の薬効を狙っているのに対して、

漢方医学は、
体の偏りを正すことに長けていますから、
同じ手法を使って証明するのは難しいのですね。

漢方薬って、なぜ効くの?

ところが喜ばしいことに近年は、
漢方医学の考え方を理解できる研究者も増えてきて、
大学の研究も充実してきているようです。


以前は使えなかった判定法も認められるようになり、
現代的な化学的手法の中でも少しずつ、
「漢方薬がなぜ効くのか」の細かい手がかりが掴めて、

西洋医学だけを勉強してきた方々にも、
少しずつその良さ
認識してもらえるようになってきました。

エビデンスって、ないでんす?

漢方医学には、
本当は東洋医学的な分析法があり、
2000年以上も臨床を重ねて
分類されてきた学問ですから、

症状、体質、病期に合わせて、
いつ誰に何が効くのかは判明しているし、
理論も確立しています。

しかし、それを細かく単一成分まで裁断していって、
効くポイントを一つでも二つでも見つけて、

なぜ効くのかの説明のよりどころを提示してあげないと、
西洋社会つまり世界に対して
証明したことにはならないんですね。

実はそういった研究を大学では日夜行っているのです。
表に出てこない世界ですが、
あらためて聞くと頭が下がります。

証明されないと…

何百年も使われてきた薬草は、
様々な薬効が確認され、
生薬辞典にも記載されています。

それはしかし経験の積み重ねですから、
現代的には何かしらの成分を同定して、
そのうちの成分の一つでも、

「こんな風に効いている」という
科学的証明をしていかないと
学会では認められません。


効くか効かないかはっきり分からない民間薬という
位置付けにされてしまうと
農家さんもしっかり育ててくれないし、
もったいないんですね。

 

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