からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
なぜ不登校やひきこもりに漢方療法が有効なのか。
それは現代医学の治療は急性病に向いていて、
東洋医学的な治療は、慢性病に向いているからです。
病院では、問診に関して、
10~15分以上という時間を
なかなか掛けることができません。
それは、もともと病院というのは日常的に、
緊急性のある急性病や病変のある病気への
対処が多いからです。
つまり緊急処置が多いので、
血液検査のデータやCTスキャンの画像によって
瞬時に判断することが常時求められるからでしょう。
現代医学は、戦争時の応急処置が元になっています。
怪我や急性病への対応を中心に
発展してきた医学ですから、
急性病にはとても素晴らしい対応ができます。
その一方で、
東洋医学の慢性病の問診では、
しばしば30分~1時間という時間がかかります。
それは、現在体調が悪い場合、
その結果をもたらした、過去の積み重ねや、体質など
すなわち、原因を治すために
様々な情報が必要だからです。
結果だけを変えるのではなく、
原因を改善して、結果をよくしていく治療です。
現代医学には
漢方における「養生」という考え方がないため、
病院での漢方薬の処方はとても短絡的になりがちです。
つまり単に漢方薬を処方するだけで
お終いになってしまうことが多いのは、
残念なところです。
さらにもう一つ重要なことがあります。
漢方には4000年の歴史がありますが、
現代と4000年前ではその時代背景が全く違います。
60年ほど前までは、
その古典的な処方が通用したのでしょうが、
特にこの30年で私たちの生活環境は
驚くほど変化してきました。
つまり、漢方の処方に対する考え方にも変化が必要なのです。
現代人は電化製品に囲まれ、
腐らないように処理された野菜やお肉を食べ、
加工食品や調味料から、化学物質をたくさん撮り続け、
さらには汚染された空気を吸い、
同じように汚染された海や川の生き物を食べ、
成長ホルモンや抗生物質を与えられた肉や乳製品を食べています。
こんな環境で育った私たちだからこそ、
昔の人たちとはその漢方思想のベースが
違っていると考えてもいいでしょう。
こういったことまで含めて考えるのが
東洋医学に携わる人達の仕事であり、
単に漢方薬を処方することとの違いでもあります。