からだに、おせっかい。
ブログ
体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
ナウシカのような人
「杜人(もりびと)」という映画を、
佐賀市の映画館「シアターシエマ」
で観てきました。
サブタイトルは「環境再生医 矢野智徳の挑戦」。
「ナウシカのような人に 出逢った」
という素敵なキャッチがついています。
知り合いに紹介され、
このフレーズに魅かれて観に行ったのですが、
本当に見ごたえあるドキュメンタリーでした。
近年の大災害の増加、植物が枯れ、
生き物が減っていくという、
その全てに共通する原因が、
なんと大地の呼吸にあったとは驚きでした。
木も診て森も看る、地球も観る、
人間よりも自然を見る視点がすごく、
勉強になりました。
欧米の自然観
人類は、これまで
人工的な技術によって自然を囲って
コントロールしようとしてきました。
特にヨーロッパの人々は、
もともとサルも棲めないような
厳しい環境でしたから、
自然と共にではなく、
自然は征服するもの
という自然観が根底にあります。
そういった文明を、
日本でも戦後バンバンと受け入れてきたので、
山も、海も、川も、街も、個人の庭も、
地下の伏流水も、全て一分の隙もなく
コンクリートで分断するという
土木基礎工事が主流になりました。
大地も呼吸をしている。
矢野さんの技術は、
地上から地下まで分断された
水脈と空気の流れを取り戻し、
大地が息を吹き返すことです。
それによって、
山や庭の植物が見事によみがえり、
土砂災害の抑止にもつながるのでした。
現代人は、
樹木の寿命を延ばそうとして、
化学肥料を入れたり、
薬品で殺菌したりして、
ある程度の成果は出していますが、
山や庭の植物が枯れていくのは、
寿命や病原菌が本当の原因でもない
場合が多いことが分かりました。
私は、この映画を観ながら、
あぁ、国土だけじゃなく、
私たち日本人の身体も
これと同じようになって
いるんではなかろうかと思うのです。
健康観=死生観
私たち個人も、
人工的なもので自然を征服できる
というような西洋的な健康観を、
植えつけられています。
体も思考もどんどん
自然な状態から離れていっているので、
肉体の調子が悪くなったときなども、
最初から最後まで医薬品や
医療技術という人工物によって
「病気に勝利する!」とか
「病気を押さえつける」という健康観です。
コンクリートで分断された大地が
深呼吸をしたがっているように(←映画を観てね)、
人間の体も体内の自然な流れが
うまく行かないと自然治癒力を
発揮したがるものです。
そしてたいていその結果、
土砂崩れ(不快な症状)が出てきます。
病は身体からの信号なのです。
作家の岡部明美さんはその詩集の中で、
病気は自然なままのあなたの姿から
遠く離れて生きていることへの警告です。
と書いてくださっています。
症状ではなく背景を見る目を
持たなければなりません。
↓↓↓
応急処置と根本治療