からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
「宝子」
九州でもう一つ大きな公害問題が
前々回、静かなる公害①に
述べた「水俣病」です。
「水俣病」も私たちが
毒を持っていることを
ハッキリと教えてくれます。
「宝子(たからご)」という言葉を
聞いたことがおありでしょうか?
下の写真は胎児性水俣病患者の
上村智子さんを抱っこして
お風呂に入れているお母さんを写した
ユージン・スミスの
有名な「母子像」です。
智子さんが、お母さんの
お腹の中にいるときに、
お母さんが有機水銀が蓄積した
水俣の魚を食べていました。
そして生まれたのが智子さんです。
智子さんは見ることも聞くことも、
話すこともできず、
体重14kgで21歳の生涯を閉じました。
智子さんは
それだけひどい重症患者だったのに、
お母さんの症状はとても軽く、
また智子さんの後に
6人の兄弟を産み育てますが、
皆、水俣病ではないのです。
お母さんは、智子さんを
いつも傍において片時も離さず、
話せなくても心を通わせ合っていました。
そしてこう言われるのです。
「この子は宝子たい」
その理由は
「この子が私が食べた水銀を
一人で吸い取って背負ってくれたとばい。
それで私も、智子の弟も妹たちも
みんな助かったとです。
この子は我が家の恩人ですたい。」
というものでした。
→静かなる公害④