からだに、おせっかい。

ブログ

体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。

静かなる公害②カネミ油症

2021年11月22日(月)

さて、皆さんは
自分の体内にを持っている
という自覚がありますか?

ここで言っている毒とは、
フグにあたったとか、
サリンにやられたとか、
毒入りギョーザを食べたとか、

明らかな毒に
侵されることではありません。

現代版、
プチ「カネミ油症」

ひとつの例を挙げましょう。
昭和43年に「カネミ油症事件」
が起こりました。

北九州市のカネミ倉庫社製の
食用米ぬか油に、

猛毒のダイオキシン類である
「ポリ塩化ビフェニル(PCB)」
「ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)」
が混入し、1万人以上の
大規模な食中毒を起こしました。

福岡県立衛生公害センターが、
公害発生から20年にわたり、
被害患者の体内を調べ、
PCBの残留量を検査、記録しています。

この事件の生々しさは、
時間が経つにつれて、
多くの方々の記憶から
徐々に消えていきましたが、

実は20年経っても、
被害者の方々の血液中のPCB濃度は、
減ってきたとは言え、

当時の健常者の
なんと500倍もの値を示し、
体調不良も続いています。

PCBという人工的な毒物が、
いったん体内に入ると、
いかに出ていきにくいかが判明したのです。

一般人が油症患者を超える

しかし、
もっと驚くのはここからです。

事件から20年以上経過して、
長崎県五島に住む、
患者でない一般の漁民の方々の、
血中PCB濃度を調べてみたら、

なんと油症患者の平均以上
PCBが検出されていたのです。

つまり、いつの間にか
一般人も食べ物を通して、
知らず知らず体内に毒をため込み、

ついにカネミ油症患者を
超えてしまう方も、ちらほらと
出てきたということです。

カネミ油症患者の症状は、
体がだるい、疲れやすい、
しびれる、食欲不振、吹き出物、
粉瘤腫、頭痛、肩こりなどです。

まさに今、現代人の私たちが
日ごろ訴えがちな症状と
一致しているとは思えないでしょうか。

カネミ油症の患者の方々は、
PCBを短期間に一気に摂取して
しまったことで急性中毒を起こしたので、

「悪者はカネミ倉庫だ!」と
一応訴える相手がはっきりしています。

しかし、知らず知らずのうちに
毒をため込んで「プチカネミ油症」
になっている現代人は、
どこにも訴える相手がいないのです。

→静かなる公害③

instagram

LINE

Youtube

漢方の宮崎薬局 オンラインショップ 漢方の宮崎薬局 オンラインショップ