からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
前回は、
不登校の理由はとても曖昧
でした。
不登校や引きこもりの彼らは
情緒が不安定になっています。
なぜ情緒が乱れるのか?
私たちの表情や行動は、
その時の精神状態を表した結果です。
体調や気分が良ければ、表情が豊かになり
自然と笑みが浮かんだりします。
また、鼻歌を歌っているような時は、
特にリラックスしているような時です。
一方で、怒ったり泣いたりするときには、
その時特有の表情になりますし、
悩み事があると、どうしても表情が曇ります。
実は、これらの情動は、
動物の脳(大脳辺縁系)にある
扁桃体から出ています。
扁桃体は、状況を判断しているところで、
いつも五感にアンテナを張り、
安全か危険かを嗅ぎ分けています。
そして、大まかに言えば、それは
「快」か「不快」か、の
どちらかの感情として
表されることになります。
不登校や引きこもりの彼らは、
当然のごとく不安を感じていますから
その感情は不快です。
そして、不快な感情に支配されれば、
人はそこから逃れたくなるわけです。
だからこそ、彼らもご両親も、
その不安から逃れるために
情緒が混乱しているのです。
ここで重要なのは、この時、
彼らのヒトの脳(大脳新皮質)は、
その働きが鈍ってしまっていることです。
例えば、
道を歩いていてヘビを見つけたら、
私たちは驚いて
体を硬直させることになりますが、
これは、扁桃体が「危険」
という信号を発信した結果です。
そしてこの驚き「ビクッ!!」と
体を硬直させた時、私たちのヒトの脳は、
その働きが鈍ることになります。
危険信号が強ければ強いほど、
ヒトの脳はその働きが悪くなります。
では、
不登校や引きこもりのケースは
どうなのでしょうか。
こんな時、
扁桃体からの「危険信号」は、
やすみなく発信され続けている
状態と言ってもいいでしょう。
これは大げさに言えば、
切り立った崖のほんのわずかなスペースで
生活しているようなものです。
いつ、その崖から
落ちてしまうのかわからないような状態で、
ずっと生活をしているようなものです。
いつも危険と隣り合わせ、
寝ていてもその緊張が
ほぐれる事はありません。
「誰か助けて!!」
そう、叫びたくなるような精神状態なのに、
誰も助けてくれる事は無い。
そんな時情緒が混乱するのは
何も不思議なことではありません。
脳に余裕がないということは
そういうことなのです。