からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
桔梗湯
桔梗湯は桔梗2gと甘草4gを合わせて煮詰めたものです。つまり甘草湯に桔梗(キキョウ)を加えたものなんですね。
桔梗には、痰をきったり膿を出したりする働きがあって、主に気管支炎、咽喉炎、扁桃腺炎、化膿性疾患に用いられます。甘草と同じように桔梗も植物の根っこを用います。
桔梗の薬用効果は大きく3つあります。
去痰作用:痰などを除く作用
排膿作用:膿を出す
利喉作用:どんな症状であろうとのどに関連した症状なら桔梗は適用されます。のどに異常があれば桔梗が役に立つと言えます。
実は桔梗は歯茎の腫れにもよく効きます。そして、からだの上部(のど、歯茎)に症状がある場合、薬物の効能を体の上部に持って行って、からだの上部で効かせるという性質があるのが特徴です。ですから嘔吐や喀血のある時にはこれらの症状がひどくなる可能性があるので、桔梗は使ってはいけないんですね。
桔梗湯は甘草湯と適応症状がかぶっています。どう使い分けるのかというと急性的で腫れていないのが甘草湯、急性でなく長引いてしまって腫れているのが桔梗湯、という違いです。例えば、最初のうち、甘草湯を使っていてもなかなか治らなくて長引いてきたら桔梗湯を使う、という感じです。
ところが、急性的で腫れていないときでも桔梗湯を飲めば、多少治りが遅くてもしばらく飲むと治るんですね。その逆はないんです。甘草湯で治るものには桔梗湯を飲めばいつかは治る。桔梗湯でしか治らないものには甘草湯をいくら長く飲んでもなかなか治りません。自動車で例えると甘草湯はローギア、桔梗湯はセカンドやサードギア、と考えると分かりやすいです。喉が腫れた時は、最初の1~2日は甘草湯を使って、その後に桔梗湯を治るまで飲むと治りやすいのです。
昔の人は、良くここまで発見したものですよね。
→甘草湯