からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
私たちは何かトラブルが生じると「突然のことで驚いています!」といった反応をしがちです。
しかし、これは本当でしょうか?
例えば、医療現場では、「ヒヤリハットの法則」を教訓としています。1件の重大な事故が起きるまでには、
29件の中程度の事故があり、さらに300件のヒヤリとした小さな事故がある。だから、「ヒヤリ」「ハッと」の段階で地道に対策を取るようにしています。この法則は、よく氷山に例えられます。氷山の見えている部分は、全体から見るとほんの一部で、その大部分(およそ90%)は水面下、つまり隠れたところにあります。
そして、良いことは隠しませんが、悪いことは隠すため、好ましくない物事を例えるとき、例えば、「国会議員の○○が贈収賄で逮捕されたのは氷山の一角」といった使われ方をします。不登校や引きこもりも同じです。
不登校や引きこもりという状態は、氷山の一角であり、海面上に見えている氷の塊に過ぎません。本当の原因は水面下に隠れているのです。では、「こころの問題」が水面下に隠れているのでしょうか?私はこれも海面上に見える氷の塊にすぎないと思っています。なぜなら、様々な病気の中で、 これほど専門家と素人の判断が共通するものが他にないからです。
例えば、頭がずっと痛ければ、ほとんどの人は何かの病気を疑います。しかし、医師の診察を受けるまでは、本当の原因は分かりません。医師の診察を受けて初めて、その原因を知ることができるのです。これは、胃の痛みや発熱でも同じことです。それほど私たちと専門家の知識はかけ離れています。
さらに、これはカラダのことだけに限りません。車や洗濯機、冷蔵庫、時計なども同じです。機械が故障して「ここが悪いのかな?」と思ったとしても、どこがどう悪いのかは専門家に見てもらわなければ分かりません。しかし、「不登校や引きこもりが心の問題」という常識については、専門家だけでなく、だれもが同じように短絡的に考えています。そして、問題が解決していくどころか、年々大きくなっています。そうしたことからも、「こころの問題」というのは表面的なことであり、本質が見逃されていると考えられるのです。