からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
未来をどうつくる?
高木善之さんのエッセイ『ユニバース 25』からの抜粋です。
自然界には無数の試練や困難があります。
人類は文明や科学の進歩によって、
人工的なもので自然を克服しようとしてきました。
つまり自然の中で不自然を追求してきたとも言えます。
便利快適という不自然を限りなく追求していくとどうなるのでしょうか。
『ユニバース 25』
1968年、アメリカの科学者 (生物学者、 動物行動学者)たちが、
メリーランド州の豊かで広大な農村地域に理想的な環境を作って、
大規模な実験を行なった。
そこには天敵はおらず、十分な食べ物と水があり、
自然災害にも予防対策をした上で、
オスメス 16匹のマウスを放った。
★第1期 「社会適応期」
マウスは新しい環境に戸惑い、
そこに慣れるまで時間がかかったが、
104日目に最初の出産が見られた。
※マウスの寿命は800日だから、
人間の寿命を80年とすると、
マウスの10日は人間の1年、
マウスの104日目は人間の10年目に当たる。
★第2期 「社会形成期」
平均55 日ごとに出産が繰り返され、
マウスの数は倍々に増えていった。
食べ物は十分あるが、一緒に食べる群れが生まれ、
群れの中に階級が生まれた。
縄張りを持つボスと家来のグループ、
それと広場で暮らすその他のグループに分かれた。
★第3期 「停滞期」
広場で暮らすマウスは戦わず、
争わず、動きが緩慢になり、
オスはメス化しメスはオス化し、
出産しても子育てできず、死亡率が高くなった。
縄張りで暮らすマウスは出産するが、
そこからも縄張りを出て広場で暮らすマウスが増え、
結果として出産が減り、全体の数が減り始める。
★第4期「終末期」
マウスは 2000匹をピークに減り始め、
少子高齢社会が進行する。
マウスの平均年齢が776日(人間なら 77.6歳)に達した時、
ついに出産がゼロになり、
200日後 (人間なら20年後) マウスは絶滅した。
絶滅は実験開始から1780日(人間なら 178年後)のことだった。
この実験は別名『楽園実験』 と呼ばれ、
「便利快適を追求するとどうなるのか」を知るためのもので、
たった1回ではない。
実験名は 『ユニバース 25』。
同様の実験が 24回行われ、すべて絶滅したのだ。
なぜ理想の楽園、究極の便利快適の社会で
マウスが絶滅したのでしょうか。
それは生きるための努力が必要なかったからとも言われます。
つまり、不自然だから
生存本能、DNAが働かないということかもしれません。
DNA には無数の機能や能力があり、
必要に応じてスイッチが入るが、
必要がなければスイッチは入らないと言われています。
スイッチが入らなければ、
生きようとする力も、命をつなごうとか、
子孫を残そうとすることもないのでしょう。
そう考えると、いま世界中の先進国で
少子高齢化が進んでいることや、
ネグレクト、家庭崩壊など
当てはまるような感じがします。
日本は、1970年以降、出生率は減り続け、
高齢化率は増え続け、
現在は世界一の「少子高齢化社会」になり
「結婚できない、したくない」
「子どもは要らない、自信がない」
という人が増えたと言われます。
残念ながら、
日本はすでに第4期(終末期) といえるようです。
終末期の日本、その先は…!?
先日のヘルシー秋の講演会では、
西村雄一郎(映画評論家)さん、
船瀬俊介(ジャーナリスト)さんをお呼びしました。
西村さんからは、
昭和の文化人の勉強量のすさまじさを、
船瀬さんからは、
世界の歴史の見方と情報を取るコツを教えて頂き、
混沌としたこの時代に、
元気に生き抜くヒントを頂いた講演会でした。
いつになく文化レベルの高い話で圧倒されましたが、
我が国が経済的に衰退していくこの現在の状況も、
日本人の本来持っている生きる活力が
今後復活していくために
必要なことなのかもしれない、
と希望の持てたお話でした。