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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。

空気のなくなる日

2023年05月10日(水)

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薬師のブログ

次男が中学校に入学しました。

いつも姉にやられてめそめそしていた坊やが、
気が付くと身長が伸びてちょっと逞しくなりました。

大人の私たちから見ると、
コロナ禍の子供達には不憫でなりませんでしたが、

当の本人たちは、適応力があるのか、
暗くなることも全くなく、
友達と元気に遊びまわっていました。

ようやく法律も変わり、
気兼ねなく行動できるようになり、
世間も気分が晴れやかに
なってきた感じを受けます。

運動会もオープン参加となり、
各地のマルシェも次々と開催されていて、
なんかウキウキしますね。

6月18日には
「佐賀つぼみの会」もありますよ。
ぜひお出かけください。

空気のなくなる日

さて、先日
「空気のなくなる日」という
昔の映画を観ました。

文部省選定の映画で、
昭和25年頃から全国の学校
公民館での移動巡回映画会などで
上映された映画だそうで、

当時観られた方は80歳を超えておられますね。
現在は、YouTubeで簡単に見られます。

原作となった小説は、学校の教材としても、
各地の小中学校の授業でも活用されたそうです。

ヒントとなった実話とあらすじ

この映画は、1910年(明治43年)の
実話が元にされた児童向け小説
映画化されたものです。

当時、ハレー彗星接近が間近に迫った時、
欧米各国ではこの世の終焉が訪れるという
が飛び交い、パニックとなったそうです。

フランス天文学者作家
カミーユ・フラマリオンによる

「彗星が地球を包む結果、
人類に大なる危害を及ぼす恐れがある」
との発言から、

彗星がもたらす有毒なガスを防ぐための
マスク携帯用酸素吸入器までが売れたんだそうです。

日本では、同年5月19日の『朝日新聞』
「フレンマリオン氏」の説として、

「彗星の尾の内に含まれる水素が、
地球の空気中に存在する酸素と化合すれば、
人類は皆窒息して死滅する可能性」
と報じたらしいのです。

実際は、地球上から
空気がなくなることはなかったのですが、

こうした報道にもとづいて
庶民たちがそれぞれに生き残るために工夫したり、
あるいはこれを利用して一儲けしよう
とする姿を描いた作品なんですね。

映画の舞台は日本のとある農村。

彗星が最接近する7月28日に、
5分間だけ「地球上から空気がなくなってしまうそうだ」
といううわさについて、回顧調で語られていました。

最初は、「そんなバカな」
だれも信じなかったのですが、

校長先生が県庁の役人もその噂を
信じているらしいと言い出すと、
学校や村中が大騒ぎになり始めるんですね。

まず、子どもたちに5分間
呼吸しない訓練をしようとするんですよ。

だけどやっぱり無理ですから、
自転車のチューブ氷ぶくろに空気をためておき、
それを彗星の接近時の5分間に吸う
という方法が考えられました。

ところが、
村人みんなが欲しがるものですから、

一円ちょっとで買えたはずの氷ぶくろが
何百円にも高騰してしまって、
地主など金持ち以外は買えなくなるんですね。

その時の自転車屋のオヤジ
表情やセリフが見事です。

学校の先生たちはじめ、村人たちが
みんなその5分間を何とかしよう
と頭を抱えている中で、

実は、その騒動のさなかに見られる
人間模様見所なんですね。

「何とか生き延びよう」
金に物言わせて準備するもの、

「みんなで死のう」と覚悟を決めるもの。

一人だけ生き残ったって
しょうがないじゃない!
と悟ったように言う小学生。

みんなデマに振り回されるわけですが、
でも結局は家族のそばで最期を迎えようとして、
すがすがしい気持ちになっていく
のがこちらまで伝わってきます。

明治時代ですし、
神前仏前にみんなで手を合わせて
最期を迎えようとする家族の様子には、
なにか尊いものを感じました。

その5分が過ぎて、
何事も起こらなかったことが分かり、

一斉に戸外に出て、
新鮮な空気を胸いっぱい、
何度も何度も深呼吸する
村人や子供たちの姿に、

なぜか映像を観ている自分も
つい深呼吸をしてしまいました。

当たり前になっているものに感謝する
ってこういうことなのかと思いましたね。

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事実は小説よりも奇なり

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